2017年サイバーマンデーでパソコンを買った話と「葛藤タイム」の話
2017年、年の瀬。
アマゾンがサイバーマンデーという集中セールを開催しています。
どうでもいいことですが、イベント事の名前に曜日を入れるのはどうしてなのでしょうか。日本では、ほとんど馴染みのない習慣だと思うのですが、アメリカの人たちには違和感のないことなのでしょう。
そんなことはさておき、サイバーマンデー初日(金曜日)にパソコンを新調しました。
(ちなみに、同日は賞与の支給日でもありました。3分の2が無くなった!)
どうしてパソコンを買ったのかと言いますと、
①これまで使っていたパソコンの動作が悪くなってきたと感じたから
②サイバーマンデーだったから
という、ごく単純なことです。正直に告白すれば、自分の仕事環境を変えたかったから、という動機もありますが、それに向き合えるほど私の元気はございません。
アマゾンでパソコンを買ってみて思ったのですが、インターネットで高額な買い物をする際に、最後の注文を確定するボタンを押すか押すまいかで葛藤したことのある人はどれくらいいるのでしょうか。ちなみに、私は1時間ほど最後のボタンにカーソルを置いたまま、クリックできずにいました。
ミサイル発射のボタンならまだしも、10万円の買い物をするか否かで1時間右往左往する私。では、最終的にクリックすることを決断させた要因は何だったのでしょうか。
簡単に言えば、「買わない後悔より、買う後悔」ということなのかな、と思います。
ここでパソコンを買った場合にどのような状態になるのか。はたまた、買わなかった場合にはどのような状態になるのか。私の場合、それぞれを想像して比較する、という作業を1時間繰り返した結果の購入でした。
ネットショッピングの強みは、簡単にこの葛藤状態に持ち込めることにあるのではないかと感じました。つまり、最終的に購入を確定させるボタンを押すまでは、どんな商品をカートに入れようが、届け先住所を指定しようが、支払い方法を指定しようが、ユーザーにコストはかかりません。コストのかからないそれらの作業を進めることで、カートに入っているものを購入することが、ユーザーにとってより現実的なものになっていきます。
すると、さきほどの「葛藤タイム」が始まります。葛藤タイムに持ち込んでしまいさえすれば、後は買うか買わないかの2択です。そこに、「そもそも買う買わないを検討しない」という選択肢はありません。
たとえ今日は買わなかったとしても、次の葛藤では買うかもしれません。重要なのは、葛藤タイムに数多く持ち込むことです。
では、リアルな店舗での販売でも、このような作戦は使えないのでしょうか。
先日、近所にある安さが売りのスーパーに行き、レジに並んでいました。すると、レジ前に値札などは何も貼っていないが、乱雑に色々な商品が入れられているカゴがありました。
このカゴは何のためにおいてあるのか、最初は分かりませんでした。しかし、私の前に並んでいた方が、自分のカゴの中から商品を手に取ってそのカゴの中に入れてるのを見て気付きました。そのカゴは、レジ前で並んでいる時に、やっぱり要らないな、というものを入れていいカゴだったのです。
このようなカゴがあれば、買うかどうかで迷ったときに、とりあえずカゴに入れておき、最終的にレジ前で判断を下すことができます。つまり、葛藤タイムに持ち込むことができるのです。
人間の購買行動を分析し、どうすれば購入に持ち込めるのかを模索する。
自分を客観視できる人には最適な仕事だなと思いました。